2008年03月19日

satoの会の演出を楽しむ

るいままの写真を借用しますね。

satoの会の演出を楽しむ

少し長くなりますが、書いてみます。

3月16日の日曜日、高松テルサに行って来ました。

セバスチアーノの舞台を見に。

あまり前知識を入れることなく、誘われるがままにホールへ。


ちゃんとした演出家がいる舞台、という心地良さに包まれた空間と時間でした。

舞台監督(ステージマネージャー)がきちんと進行を司り、スタッフは淡々と役割りを実行している。

あわてず焦らず、ゆっくりとした舞台転換。

転換が終り、シーン明かりがゆっくりと変化し、ピアノにサスがゆっくりと落ちると、

軽く息を整えて、ピアノが始まる。

デリカシーに溢れた舞台でした。

その演出家のデリカシーを、歌い手だけでなく、ピアニストや舞台進行のスタッフの皆さんも肌で会得してやってるなぁと。

・・・こんな風に舞台を、いつも見てしまいます。

<猿之助の歌舞伎などを見に行くと、オペラグラスで舞台転換の仕掛けの裏側や、
花吹雪の1枚1枚の「花」のカットの仕方などを追いかけてしまいます>

さて、クラッシックの演奏会の場合は、「音響」という電子的な分野がないので、

演奏家と照明とステージングに集約されます。

一曲づつの紹介のアナウンスもなく(つまり、無駄な音が、ない)楚々と進行。

・・・・これが演出家のスタイルなんでしょうね。このセンス、好感度・大。

若手の初々しいステージ。

覚えた技術、音楽指導・演出家に言われた注意点を頭で思い出しながら声を出している様子が、ちらりと垣間見られたり。

そして、2部へ。だんだんとベテラン?の演奏、歌唱が続き・・・



2部の最後、当然のようにトリでセバスチアーノ登場。

予備知識もなにもなかったので、いきなりの日本語の舞台に虚をつかれて。

いい感じの「虚」。

さあ、演出家は何を演奏家=声楽家=役者に求め、それにどのように応えたのか。

見どころ満載。

オーバー過ぎず、無理もしない、大人の演出。

50才を過ぎて生の自分をガンガン観客にぶつける自分の”ライブパフォーマンス演出”とは大違い。笑。

ん?オペラの舞台演出と、じゃんじゃかギターの荒ぶれたライブ演奏を一緒にするな?って??

いえいえ、このブログでは、演出を語りたくて、書いていますから、一緒に語ってもいいんですよ。きっと。

(って、誰と会話しているの?笑)

さて、セバの舞台。

自身のブログで「サンポート後のしゃべりがいまいちうけなかったこと。」を反省点に入れていましたが、

その通りですね。笑。

「津軽海峡冬景色」トランクの開け閉めにてこずっていたのも、少し、気になってしまいました。

”上質な、計算されよく訓練された”物語の流れの中で、そこの部分がミョーに「現実的」だったり。笑。


さて、演出家の指示や示唆はどこまでで、

どっからが「自由演技」なのか、興味津々でして。

*********

3人の人柄と技量の見極め。

作品の持つ本来のニュアンスと、

その作品を「このように舞台にかけたい」という演出家・音楽指導者の解釈。

演出家と出演者の稽古の場でのやりとりを勝手に想像しながら見ました。

*********

私がクラッシック、オペラ、商業演劇、アングラ?パフォーマンス、ライブ、映画など、

あらゆる「人に見せる作品」を見るときの視点は、

いつも「演出から見た」出演者であり、作品全体なんです。

その視点から言えば、高品質な「オトナの」出演者であり作品でした。

気持ち良い時間と空間をありがとうございました。


********

音楽的なことは専門外なので、的確ではないかも知れませんが、

真下に近い角度や、真後ろに近い体の向きで歌を続けていた時の歌詞が聞き取りにくいシーンが少しあって、もったいない気がしました。

セバ氏とマダムの背中合わせの二重唱、聞かせどころの演出。

完全に真横に体が向いて、上半身から顔を少しひねって正面を向きながら歌う。

難しかったのではないでしょうか。演奏者自身も。

このシーン、客席の場所によってニ重唱のバランスがかなり変わってしまいそうですね。

これも、芝居の流れや自然さを優先した演出なのかなとひとり合点して聞いていました。

*******************

セバ氏が私のコメント返しに「厳しい評価をお願いします。」と書いていただいたので、

きっちりと、感じたことを書いてみました。

多分、どんなベテランの方も、自分の舞台がどんな風に見られて、

どんな感想を持ったかはあれやこれや、聞きたいものなんですよね。きっと。


しかし、前夜(当日の未明?)の自分のライブが穴倉のようなライブハウスらしい混沌とした空間で、

ハイテンション乱舞のまま一日を終えた「祭りのあと」状態の心持ちの状態でテルサに出かけましたが、

目を覚まさせてくれるような、思いがけず良質な時間を体験できで、シアワセモノでした。

演出家・音楽指導者を尊敬していることから来る信頼感に溢れた、落ち着いた舞台でした。

るいままやマロンが書いているように「美人にあふれた舞台とロビー」でしたし。笑。←評価の源??

**************************


ここまでが、鑑賞記。

ここから先は、「自分史」気味のコメントです。


*** 演出ということ ******************

私は、20代前半から舞台の音響、照明、道具方のバイト(今でいうフリーター?笑)をして生計を立ててました。

吉野川沿いに学校の体育館をハシゴしながら?生バンド付き演歌歌手のツアーに着いて回ったり、

当時オープンしたばかりのオリーブホールで「スターリン」が牛の首を投げる場面に遭遇したり、

デビューしたての尾崎豊が「ウワサどおり」スピーカーの上によじ登ってステージに飛び降りた場面に遭遇したり、

東京二期会の(香川二期会でも上演した)こども向けオペラ作品「泣いた赤鬼」をオリジナル音源と
オリジナルの舞台セットを創作パッケージにして、四国内の小学校やイベントをツアーしたり、

昔の高松市民会館の綱場でドロップやセットを手動で上げ下げしていたり、

香川芸術フェスのオープニング公演でM谷氏が担当する「ややこしい異ジャンルの寄り合い所帯」創作舞台では、だいたい、舞台監督として呼ばれて、壮絶な交通整理をしていたり、



20代の4,5年をそんな風に過ごしながら、当時の夢は「舞台演出だけでメシが食えるようになりたい」でした。

その夢に近づくために、瀬戸大橋が完成する直前からのイベントブーム全盛時に、

イベント企画制作の業界に入り、求められていないイベントでも?

勝手に細かな台本を書き、普通のイベントなのに「ト書き」に細々とイメージや指示を書き込み、

1年に1本あるかないかの「自分のやりたい、好きな」舞台仕事をするために、

雑多なイベントを「仕事として」こなしていました。

時代の流れとともにイベント業界を離れ、ITベンチャーを起業したときにも、

会社のコンセプトとして「インターネットの世界でもメディア演出力が大事だ!」を掲げて、会社のサイトにもド~ンと、スローガンとして書いていたり・・

Web部門とmobile部門に加えて、Live部門(イベント部門=舞台の仕事がしたいから)をつくったり。

(無理なこじつけ??笑)

(そんな中で、「あしたさぬき。ニナレ」の仕事に巡り会い、創作することがでたわけです)



私が尊敬する人物に「浅利慶太」がいます。

ご存知のように劇団四季の主宰者、演出家であり起業家であり経営者です。

「歌って踊って演技して」いるだけで、通常のサラリーマンと同じように、

あるいはそれ以上の年収を得ることができる舞台人を雇用できるシステム「劇団四季」をつくり上げ、

各地に常設劇場を開設し、舞台人を常に雇用できるネットワークを日本に生み出した人物です。

演出ということを生業にできること。

演出する作品を自分でビジネス的にも成功させたひと。

その両面から、とても尊敬しています。

*********************

そうそう、今、思い出しましたが、私も1本だけ、オペラ風の舞台を演出させていただいていました。

あしたさぬきブログでも話題に出る「ちぇちりあ」の落語ペラの第一回目の演出、しました。

私に依頼をした主宰者の先生も無謀ですが、前述のITベンチャーを起業して数年目の私が、

関西で行われていたオペ落語を、高松でやりたい(いや、やることにしました・・)という話をいただき・・

その依頼を受けたことそのものも無謀でしたが(苦笑)、

私なりにオペラを若干勉強し、「出演者の技量と作品力と脚本と練習回数」のバランスの中で、

出来る限りのことをしました。

などなど・・・

satoの会の舞台を見て、久々に「演出」というキーワードが頭の中を駆け巡って、

いろんな事が一度に吹き出して、そんな中で鑑賞記を書いてみました。

舞台作品も好きですが、やっぱりわたしは「演出」が好きなようです。

出演者の方にとってはいい鑑賞記になってないかも知れませんね・・・。

本番終了後、ロビーでセバ氏が言っていた内容・・・・

日本ではこういった喜劇系のオペラ小作品が紹介されない、という風潮ができてしまっていてそれがもったいない

・・・・そうそう、同感。どんどんと、こういった小作品(演じ手はたいへんでしょうが・・)を舞台にかけたいですね。

わたしは、丸亀町ドームの下で、「ファンタスティクス」のようなミュージカル小作品などを、

「町営劇団=商店街の店員が劇団員」で定期的にやりませんか!?

という企画書を理事長に提示したこともありますが・・

そんな感じで、まちのあちこちに音楽と「生の舞台=演じる場所・見る場所」ができるといいですよね。


えー、話はどんどんと脱線しまくり、いやぁ、我ながら、長い・・・

ライブのトークも「長い」とおしかりを受けたり(・・・別にだからと言って止めるわけじゃありませんが)


ここまで読み進んだ方も少ないでしょうが(笑)、ご清聴、ありがとうございました。


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Posted by rookie1957@ストリート at 06:34│Comments(13)音楽・舞台・映画
この記事へのコメント
長さはなかなかですが(笑)

こうして 思いを語ってくださると 大変わかりやすく

sebaとわたしが、その第1回目の落語ぺらにいて
rookieと出会っており
今 こうしていることに世の不思議を感じます

いま、自分をプロデュースするrookei氏の手腕 楽しみにみておりますw
Posted by るいまま at 2008年03月19日 08:53
>ここまで読み進んだ方も少ないでしょうが(笑)、ご清聴、ありがとうございました。


いえいえ・・・どういたしまして。(^-^)
Posted by となきちとなきち at 2008年03月19日 08:56
>ここまで読み進んだ方も少ないでしょうが(笑)、ご清聴、ありがとうございました。

いえいえ、どういたしまして。(~_~)
Posted by UDマンUDマン at 2008年03月19日 09:21
無事 読みきりました(笑

やっぱり 人によって いろいろな視点での見方がありますね
オイラはというと どこで Tシャツが使われるのかと ハラハラしてみておりました(www
Posted by ぽんた at 2008年03月19日 09:25
み、みなさん・・・就業時間では????(るいまま以外)

お、おひま??

3,4日に亘って、下書きに保存しながら書くと、

こんな長さになって・・

ご静聴、ありがとうございました。
Posted by モバイル天涯 at 2008年03月19日 09:49
はじめまして!

長文読みきりました。



もしや。。テルサでお会いしていたかも。
Posted by クリスティーヌ♪ at 2008年03月19日 18:06
>クリスティーヌさま

読み切り、お疲れ様でした。笑。

えー、テルサのロビーで、

るい△△とマ◎ンお姉さま方が、

ワイワイガヤガヤ賑やかにされていた一群の

陰に隠れていた者です。

はじめまして。

セバ氏の夜のブログが楽しみですが、

わたしは本日、「マスミサイル」聴きに行きます。
Posted by モバイル天涯 at 2008年03月19日 18:25
私はLinda・・・そう、リータです。

こんなに細かく観て下さっている事に感動です。

これからも頑張りますのでご支援下さいませ!!
Posted by Linda at 2008年03月20日 00:25
やはり!

あの、るいままとの再会の熱い抱擁のシーンにいらっしゃったんですね。

これからもよろしくお願い致しますぅ~!

Lindaの侍女より。【笑】
Posted by クリスティーヌ♪ at 2008年03月20日 08:42
>リータ=Lindaさま

はじめまして。

重箱の隅をつっつくようなダメだしをして、

部下から嫌われる上司タイプの天涯です。笑。

ただ、かなり知的な訓練を重ねての舞台、

というようにお見受けしたので、それについて感想をお話しすることが、

一観客のエチケットかな、と。書いてみました。

リータの冒頭のセリフにどきどきしました。

え!それまでの原語で美しく謳われてきたコンサートの雰囲気を壊して、

日本語で物語の前説をしているではないか・・と。

これから日本語の「もしかして、つまらない?」翻訳オペラが始まるのかと・・

一瞬、失礼ながら「懸念」が頭をかすめましたが・・・

そのあと、流れるような舞台進行で、すっかり魅力的なものがたりに

違和感なく惹きこまれました。

お疲れ様でした。

>>>Linda侍女クリスティーヌ様

はい。突然ロビーで展開される賑やかなシーンの横で、

ぼーーーーーーっと、することもなく突っ立っていた3人の男たちのうちの、

ひとりでした。

よろしくお願いします。
Posted by モバイル天涯@world sports cafe at 2008年03月20日 10:34
天涯さま

なかなか お客様の声は演奏者には聞こえてこないもの

聞こえても 「良かったよ」 という社交辞令のみ

こと細かく 観て 聴いて 感じて下さって 嬉しい限りです

おっしゃる通り “狂乱”までは しっかり 原語のOpera seriaでしたので

私の方も お客様の反応が  どうなるかと心配でしたが

何だか どっかんどっかん うけてるし~~!

リータの台詞を何度も作り直し 制作した甲斐があったというもの(涙)

この作品を取り上げて良かった~~

毎回 コンサートの後半はオペラのハイライトを演奏しています

ソロだけでは表現できない 

声・言葉・表情・演技で楽しんでもらいたいな~と!

それで 毎年 セバに賛助出演してもらってるんです

あ~、ほんまに 長い付き合いやな~(何年かは ひ・み・つですが)

ちなみに 今まで取り上げたのは「こうもり」「愛の妙薬」「蝶々夫人」「魔笛」

「椿姫」「ボエーム」です

他にリクエストやご要望などありましたら教えて下さいませ!

高松のDiva Lindaでした
Posted by Linda at 2008年03月20日 17:57
>>Diva Lindaさま&inda侍女クリスティーヌ♪さま

考えてみると・・・ブログ、という機能が無かったら・・

地域、地元、Home Townのひとと話題が集るこの「あしたさぬき」が無かったら・・

このように、感想や意見交換ができなかったわけですよね。

すてきな、いい感じの出来事でしょうか、このやりとり。

ブログとあしたさぬきとsatoの会とセバとる◎ままとマ△ンに、感謝です。

そして、seba氏のブログコメントで展開されているように、

完全版、期待したいですね。

かなーり、大変でしょうが・・・・

楽しみに待っています。
Posted by rookieルーキーrookieルーキー at 2008年03月20日 22:29
rookieルーキーさまのおっしゃるとおりです。

あしたさぬき!バンザイです!
Posted by クリスティーヌ♪ at 2008年03月21日 06:27
 
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