2008年02月27日
昨夜、何が起こったの?

・・・やっぱり、昨夜の出来事を書き残しておこうと思う。
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昨夜、かつて入れ込んだミュージシャンのライブに出かけた。
35年振りくらいに、その音楽に触れて。
小さな高松のライブハウスには、
思ったよりも幅広い層のお客さんが、
30~40人。
いい感じのレイアウトと、
開演前の和やかな雰囲気。
ライブが好きなんだなぁ、
このミュージシャンが好きなんだなぁと。
そんな雰囲気がいっぱいつまってて。
で、演奏スタート。
ほとんど生に近いくらいの音量で、
ぼそぼそと語るように歌うように、
詩を演奏する。
ピーンと張り詰めたような、
生のライブらしい緊張感が漂う。
5,6曲進んで。
どうも、最前列の男性ふたりが、
演奏中も、トーク中も、
「あの頃は・・・」とか、
「はっぴいえんどが・・・」とか、
なにやら思い出話に花が咲いている様子。
5,6列目にいた私も気になる。
わたし、イライラしはじめる。
ぼそぼそ、がやがや。
笑い声も。
やがて、トーク中に、黙り込むミュージシャン。
ギターを抱えて、
静止するミュージシャン。
沈黙。
1分。
2分。
3分・・
どのくらいの沈黙だったろう。
観客をもっと自分の近くに呼び込むミュージシャン。
観客席の中に入り込むミュージシャン。
客席の最後列に行って、そこでやるというミュージシャン。
また、最前列のふたりが何やら口に出す。
「勘違いしとんちゃうの」とかなんとか。
だだだだ、と、ステージ付近に進むミュージシャン。
最前列の無神経な客がああだこーだ言い出す。
「歌ってくださいよ」
「ぼくらファンなんですから」
「聴きに来たんですから」
「アルバム、全部持ってますから」
・・・キレるミュージシャン。
店主も店員も、なにもしない。
ステージ奥の楽屋に、マイクやギターをなぎ倒して入り込むミュージシャン。
また、口を開く無神経男。
「どーしたんや。ライブ聴きに来たのに(とかなんとか)・・」
遂に、私より先に、最前列の熱烈なファンらしき女性が口火を切った。
「うるさいわよ、あんたたち!(と、いうような短い啖呵)」
あ、先を越された。
私「てめーらのうだうだした話を聴きに来たんじゃねーぞ!黙れよ!」
※わたくし、熱くなると、みょうな「共通語ふうのべらんめえ東京語になるんです・・・
それからはじまる、どうどう巡りのやりとり。
他の客も、口を出し始める。
そこで、気がつく無神経なふたり。
「え?こうなったん、ぼくらのせい?」
「え?感想いいながら聴いたらいかんのん?」
「こんなんでも演奏続けるのが、プロっちゅうもんだろう」
「えー、だまーって、静かに聴かなあかんのん?これは宗教かぁー?」
「ほんまに僕らが原因かどうか、彼に出て来てもらって言うてもろーたら、なっとくするわ。
ほんまに僕らなん?原因」
わたし、キレました。
立ち上がって「表へ出ろよ、表へ」「来いよ、表へ」
後ろに座っていた見知らぬおじさんに「まあまあ」と、
肩を押さえられて、座らされましたが。
なお、続く、他の客と無神経オトコのやりとり。
わたし、また、立ち上がりました。
何言ったか覚えてないですが・・
そうこうしている間に、冷静な男性客が
「お店のひとはいないの。経営者とか。お客どうしのはなしじゃなくて、
お店として言ってもらわないと・・」
ミュージシャンをなだめにステージ裏に入っていた店主と店員、
出て来て、あれこれ。
チケット代を渡して、退場をうながす店員。
ぶつぶつ言いながら最前列から客席を通る無神経なふたり。
え、ひとりは、まっすぐに歩けないくらい泥酔やん。
そこで、後ろから女性の声「帰らなくてもいいと思いますよ」。
そこから、また少しうだうだと。
「だろ、だろ・・俺達ファンなんやで。十数年ぶりにこいつと会って、
ライブに来たのに・・・」
なんだか、自分自身、情けなくなってくるのは、どーして?
やがて無神経客、退場。
店主、ステージでお詫び。
で、ミュージシャン、再登場。
ぼそぼそと、話を始める。
とりとめもない話。
やがて「今日、予定に入れてなかった曲、やります」
曲は、そのミュージシャンの曲の中でも、アコギ1本でも、
「パンク風」の激しい曲。唸る、がなる、シャウトする。
それまでの、詩を語るような歌い方とまったく違った曲だった。
自分自身のナイーブさに、苛立ったんだろうか。
で、進む、ライブ。
最後の曲が終わって、深くおじぎをしてステージ裏に帰るミュージシャン。
アンコールの拍手が鳴り始めた会場に、
無性に居心地の悪さを感じて、
無性に腹立たしく
無性に情けなく
なんでオレがこんなに不愉快になるんだろう
彼らは、退場しなくてもよかったんだろう・・・きっと
早く、店が、立ち振るまえば。
ミュージシャンが、さらりと受け流せば。
ミュージシャンが直接「喝!」を入れれば。
こうはならなかったんだろうか、とも。
でも、このミュージシャンは、そういう行動、ナイーブさを含めて、
その演奏者。
この小屋は、こういう場合にこういう対応をする小屋。
そのライブに来たひとりの客として。
嫌なら、帰る。
好きなら、居る。
ただ、それだけのこと。
で、わたしは。
アンコールの拍手が始まるとすぐに、席を立ち、人ごみをぬって、この小屋を後にした。
もうひとり、同じタイミングでお店を出た女性が。
私は、その方の顔を見ることが出来ませんでした。
多分、「帰ることはないと思いますよ」と、口にした方じゃないだろうかと。
今の私の気分と同じように、
ミュージシャンとお店に軽い失望感を感じた「同士」なんじゃないだろうかと。
勝手に思い込んだりして。
私はエレベーターに乗らず、3階のお店の、外階段をトコトコと降りて。
その女性も、少しあとから、トコトコと降りて。
そのまま夜の街の路地をトボトボと歩いて。
後ろから、ハイヒールのコツコツという足音も聞こえて。
やがて丸亀町のアーケードに出て。
私は左に。
そのヒールの音は、右に。
そのあと、馴染みの音楽に包まれるバーと
気っ風のいい明るい板さんのいる小料理屋でクールダウンして。
今朝起きても、なお、気持ちがすっきりせずに。
会社を「昼出勤」にして、こうしてPCに向かってる。
わたしは正義の味方でも、
正しくライブを見る会のメンバーでもない。
でも、情けないほど不愉快な・・
さて、出勤準備でもするか。
まずは、シャワーだ。
Posted by rookie1957@ストリート at 11:25│Comments(0)
│音楽・舞台・映画
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