2009年03月09日

渡辺貞夫を肌で感じた夜~スピークロウ

3月8日、日曜日。

昼間に徳成寺のイベント・寺ともサービスDAYに馳せ参じ・・

「春は陽気に!コンサート」~るいまま・姫トリオ(姫&慶子)・ぴよ&みっけ

⇒ http://mobamoba.ashita-sanuki.jp/e104421.html



夜には・・・


渡辺貞夫を肌で感じた夜~スピークロウ


古くからの憧れのひと、渡辺貞夫の演奏を・・・

スピークロウさんで聴けるという幸運に。

こんなに身近に、ナベサダを感じることができるなんて。


*******1972年頃のお話し**************************


私は中学生から高校生になる頃。

ビートルズもすでに解散して1,2年、

クリーム~ブラインドフェイスも解散し、

レッドチェッペリンがサードアルバム、4thアルバムを出して、
アコースティックに行き始めて・・『なんじゃ、こいつら。日和やがって』と思い。

クラプトンが何とかというバンドを組んで「いとしのレイラ」がヒットして・・『なんじゃ、こいつ。日和やがって』と思い。

浅間山荘事件を広島の田舎町でテレビで見続けて、鉄の塊で若者たちの学生運動が砕かれているのを見て・・



私は、JAZZに入っていった頃。

広島のJAZZ喫茶でアルバイト、コーヒー入れながらレコードを回していた頃。


コルトレーンの「至上の愛」のアルバムを大音量で頭の中にぶち込んでいた頃。


JAZZ喫茶で、渡辺貞夫を知りました。

ちょうど、アルバムでいくと

バード・オブ・パラダイス
マイ・ディア・ライフ
カリフォルニア・シャワー
モーニング・アイランド


こんな感じの頃。


チャーリーパーカーのスタイル継承者として注目されていたナベサダが、
アフリカやラテン系の音楽に傾倒して行った頃だったように思う。


私の通っていた広島の私立高校には、なぜか「ジャズ研究会」という同好会があって。


私が高3になると、その班長(なぜか、研究会なのに、その「長」は、班長と呼ばれてた・・)に私はなり。


高校の文化祭で演奏を発表する部屋を借り、プログラムに「ジャズ研コンサート」と掲載して。

6,7人の前で、ドラム、ベース、アルトサックス、そしてギターの私で、1曲だけ演奏できたことを覚えている。

曲は、「ソフトリー・アズ・イン・ザ・モーニング・サンライズ」~朝日のように爽やかに~などと訳されている楽曲。

わたしはウエスモンゴメリーのオクターブ奏法をコピーし、主メロだけやっとできて。

アドリブは、かなりメチャクチャ好き勝手にやり(もしかして、今と同じスタイルだったのかも・・)。


そんなこんなで、JAZZに浸った中学生後半から高校生時代。


渡辺貞夫は絶えず日本JAZZ界のど真ん中にいた。


*********************


日曜日に見たナベサダは、初老の好々爺。

1933年2月1日生まれとのことなので、76歳。


おおおお。

1部40分、2部50分くらいの演奏をやってのけました。スゴイ。


100人限定のライブは、チケットを告知する間もなく、1週間くらいで完売したとのこと。

私は見事立ちん坊。

開演の1時間前に行って、本番、休憩含め3時間以上、立ちっぱなし。


でも、76歳のナベサダは、合計1時間以上の演奏中、当然ながら立ちっぱなし。


人垣でさっぱり顔も見えない場所でしたが・・・



私は壁に背をつけて、目をつぶって音に集中したり。


人垣の間から、時折、ほんの少し見える顔、胸元くらまでの姿を背伸びしてみたり。


手拍子でリズムをとったりしていましたが。


途中から、そうかそうか。ナベサダも、自分のパート以外の時間。

つまり、主メロとテーマのアドリブを終えて、

ピアノに回し、ベースに回し、時折、ドラムにも回している間、

ナベサダは当然ながら体を小さく動かしながら、他のメンバーの音を聞いてる。

他のメンバーが生み出すグルーブに身を任せている。


そうかそうか。

わたしは、ナベサダのパートが終わると身を乗り出し、背伸びして、或いは背をかがめてのぞき見して。


ナベサダが体でどんなリズムを取っているかをじっくりと観察して・・・


彼と同じリズムの取り方で体をゆすってみる、というささやかな遊びをしてました。


************************


ジャズをよく聞くひとは、「もうかなり年だから、いい音でないんじゃない?」とか、「ちょっと、いまいちらしいよ」

などという風評も聞きましたけど・・・・


昔の憧れの人には会いたいもので。聴きたいもので。サウンドに身を任せたいもので。


行きました。


・・・・・はじまったばかりの2,3曲を聞いて・・・あ、そういう風評が出るのも仕方ないか・・・


とも思うサウンド、音の響き、伸びでした。


ところがところが!


おおおお、なるほなるほ!


1部のラストとなったアフリカン系リズムのパワフルな曲。


2部の力強い8ビートのシャッフルの曲やアフリカン、ラテン系の曲。


いやぁ、最初はセーブしていたんだ。

セーブしても成り立つ楽曲を前半に入れていたんだな、って。きっと。



ああ、行って、ほんとに良かったです。


ありがとうございます。ありがとうございました。


一緒に行った家人は、CDを買って、サインの列に並びました。


シカシ、腰と膝ががくがくの夜になりましたです。

***************************


しかし!一言苦言を!!



2部の終わり近く。

お店の人が、ずっとカウンターの中で、演奏者の姿や手元が見えなかったんでしょう。

お店の人がくねくねと人垣の中を進んで、

後ろの方だけど、そのお店の人が立ち入ったスペースの後ろの壁際にも女性がふたり立っていて。


いやいや、そこに店の人が立ったら、後ろのひと、見えないでしょう。てなところに立って。


ずっとではありませんが。1曲の途中から、ラストまで。


また、1,2曲あとの曲でまた出て来てとか。


そんなことがあって、他のお客さんの中でも、後ろの方から中ほどの人混みに出て来るひともあって・・・


壁際の女性のふたりは、2部の終わりを待つことなく。途中退場されました。


もともと用事があったかも知れません。


でも、ちょっと、嫌な気分になってしまった。


去年の2月のライブで、うるさい観客に怒鳴ってしまい、自分自身とても嫌な気分になった前科のある私として。

ちょっと、注意をするのをためらって。

ためらって何も言わなかった自分に、また、なんだか嫌な気分になって。


********************


でも、行ってよかった。

ひとが70を過ぎても演奏を続けるという行為を見れて肌で感じられて、よかったっす。


3月15日、今度の日曜日、ラフハウスでライブに出ます。

4組のうちのひと組みです。

今回は、いままでセッション的にその場のノリで参加してもらっていたるいままにお声掛けして、


ちょっと練習、音合わせ、打合せをして15日臨みます。

お時間の許す限り、ぜひぜひお誘い合わせの上、ご来場ください。


あ、もちろん私が演奏するのはJAZZでもフリーなインプロゼーションの世界でもありません。


自分のやりたい楽曲を自分のやりたいスタイルで演奏する。そんなことをやっています。


詳しいことは、また、ブログUPします。



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Posted by rookie1957@ストリート at 18:44│Comments(5)音楽・舞台・映画
この記事へのコメント
1972年=拾得が出来る1年前、京都のロック喫茶(懐かしい・・もう死語)で

ブルース、ブルースロックを聞いていました。

京大西部講堂、円山野音では単発ライブが有ったが常設小屋は無く、

翌年 拾得が出来ウエストロードが育った。

この頃がロックの最盛期で、以後はテクニック重視でブルース色なしの

クロスオーバー(当時の呼び方)が幅を利かし、反動としてパンクの台頭と

なったと思います。

ツェッペリンが日和ったとは「天国への階段」でしょう?

当時は私もこの曲が嫌だったが、10年後には逆になっています。

クラプトンは65年ジョン・メイオールバンドのアルバム(テレキャスター使用)

が今のダルビッシュみたいで熱い。

10年程前、今新町のライブハウスにジョージ川口氏が来演されていました。

72歳との紹介の後、叩き始め、そのパワフルさにビックリ。

ナベサダ氏も含めジャズメンはロッカーより現役時代が長そう。

オクターブ奏法と言えば、デューク・ジョーダンは最近名前を聞かない。

20年前、スティビー・レイボーンと共に私の一押しギタリストだったのに。

やはり死んだのだろうか?
Posted by 昆布ハムの周りに蠅はいない at 2009年03月10日 02:48
デューク・ジョーダンではなくスタンリー・ジョーダンでした。
Posted by 昆布ハムの周りに蠅はいない at 2009年03月10日 10:38
★昆布ハムの・・・・さま

いつも内容に深く呼応してさらに広がりをもたせたコメント、ありがとうございます。

そうですね、クロスオーバーと名を付けられた空虚な音楽群、ありましたね。

ナベサダは、そっちに行ったかと、オールドジャズファンは「日和やがって」と、あの当時みんな思ってましたね。

ただ、「昆布・・・」さんも「天国への階段」について書いているように、その時代の流れや短絡的な個人の感想とは別に、

楽曲としてひとの心を捉えるものは、ポピュラー的にヒットしようがしまいが、

何年経ても、ひとの心を捉えるのだということなんですね。

楽曲もミュージシャンも。

今回、別で聴きに行ったひとともメールで話をしましたが、

今回のライブでは、ジャズのバラードは胸を打つ響きもアイデアも少なく、

アフリカンやラテン系の楽曲でsaxは生き生きと弾んでたよな、

という感想で一致しました。

ナベサダはナベサダで。自分にフィットした音楽をやりつづけたミュージシャンだったんだなぁと、改めて思った次第でした。

*****

こんな感性と日本語使いを持つ「昆布ハムの・・・」さんが、

わたしの演奏を聴いたらどう感じるんだろうかと・・・

かなり恐ろしいですが、聴いていただきたい気もします。

あ、ただ、その時は名乗らずに、また、そっとライブの感想をコメントいただけると・・・・・怖いですが・・・・・知りたい気もしたりしています・・
Posted by rookie at 2009年03月11日 06:19
rookie様
始めまして
3月12日広島JIVEでの渡辺貞夫LIVEに打ちのめされ、ここにたどり着きました。
すごかったあ。休憩なしの2時間ストレート。
1.バタフライ
2.ツアーマイランド?
3.I‘M OLD FASHIONED
4.(出来立ての曲)
5.DEEP IN A DREAM
6.(出来立てのBALLAD)
7.(1月に出来た)TREE TAPS?
8.アーリースプリング フルートで
9.オペラの道化師の中の曲 パリアッチョ
10.?
11.モーニング
12.?
13.MY FOOLISH HEART
14.いそしぎ
15.CALL ME
16.?
17.?
18.(アンコール) You Better Go Now
曲名がわからないものもあったけど、そんなの気にならない。
SAXの音に艶があり、たまりませんでした。
嬉しくて、ありがたくて、思わず書き込みました。
Posted by ももんがあsp at 2009年03月14日 16:01
★ももんがあspさま

広島の方でしょうか。コメントありがとうございます。

自分のブログを通して、生まれ育った場所に近い方と、

こうして少しでも繋がることに、とても感謝、です。


しかし、ナベサダ、休憩なしで2時間ですか!!

うーーーん、広島の観客に触発されて、なんでしょうか。

いいなぁぁ。いいなぁ、と。ももんがぁさんの勢いのあるコメントを見て、

なんだかこちらも胸騒ぎな感じになりました。

ありがとうございました。
Posted by rookie☆ルーキーrookie☆ルーキー at 2009年03月15日 09:41
 
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渡辺貞夫を肌で感じた夜~スピークロウ
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